勇敢な女性の記者会見―A brave woman in a press interveiw

みなさん

4月ももうすぐ終わり・・・って早いですね。

本日は、やっと18度まで上がるようで、東京より暖かくなる見込みです。

 

CNNのニュースは相変わらずBostonの爆発事件に関する事ばかりが流れていて、報道する方も退屈でないかなあ、と思うぐらいですが、そんな中、政治的でもなく、宣伝的でもなく、やけに感情的でもない記者会見が一つありました。

 

Heather Abbott (38歳)、ボストンでの事故で両足を切断し、義足をはめることになったということで、主治医と、会見を取り仕切る女性の元、記者たちの質問に答えます。 足の切断をしなくてはならなくなった犠牲者の中には、「それでもダンスをし続けるわ。」という、ベッド際でのインタビューなんかもありましたが、彼女の会見はひときわ違っています。こんなにポジティブな人がいるものか、と思わせるもの。

彼女は事件の当日、友人とBarに入るために店の外で並んで待っていました。会見では終始無理のない笑顔で的確に質問に答えます。彼女の言葉は、まるでアスリートが「今回は負けたけど次も挑戦します。」というぐらい、事故のせいで両足の切断をすることになったという事実が、一瞬軽く感じてしまう錯覚を覚えさせます。

 

記者の質問は、感情的な質問からもっと現実的な質問など、次々飛び交いました。

「爆発を仕掛けた2人の容疑者のことについてはどう思っていますか。」という質問に彼女は答えます。「同じ質問をされたことがありましたが・・・。爆発事件に関してはあまり考えたりしません。TVも見ないようにしてますし、容疑者のことも知りませんし、名前さえ、どう発音したらいいかわからないぐらいです。そうすることが自分の人生にフォーカスし、回復を考えることに役に立っている気がします。 もちろん、いつかこの事件の真相に関しての詳細をもっと知りたいと思う時が来ると思いますが、今は考えるだけ無駄な時間だと感じています。」

 

「両足を切断することを決意するにあたってどう感じていますか?」というような質問には、「もちろん、簡単な決断ではありませんでした。このような状態になることを祈願したわけでもありません。けれど、周りの家族や友達、そして経験者の意見も聞き、何よりドクターたちがよく説明してくれたおかげで、自分にとって一番いい選択をできたと思っています。」と、さらっと答えました。さらっとといっていいかわかりませんが、少なくとも感情があふれ出て涙をためる、というようなことは一切ありませんでした。それよりも、自分を支えてくれた人々に感謝して、また自分の役目はその支えを無駄にすることなく、さらにあるお手本となって進んで行けるような、そんな態度をしっかり見せてくれた気がしました。

 

何はなくても夢を追って好きなことをやっていくわ、という態度も素晴らしいでしょうが、どこか彼女には、自分を第三者的な目で見れる冷静さ、情を求めず、されどその気持ちには感謝できる寛大さ、そしてある意味プロの心得のようなものを持っている、と感じました。

 

湖の氷がとけだし、ほんのりエメラルド色に染まってきました。 どうぞ良い週末をお過ごしください。

 

Shizuko