二人の過激派― Extremes of Two

みなさん

 

今週末は7月1日がCanadian Dayでお休みということと、高校?の卒業式があって、人々は休暇モードです。 Sylvan Lakeに休暇を過ごそうとやってきている方がちらほら。 

 

さて、この時期、ほぼすべて見ていたドラマがシーズンフィナーレを迎えて秋口まで始まらないので(先月ぐらいで終わっています・・・)、退屈しのぎにYoububeで一緒に何か見よう、とダーリンに選択を任せてみると、「Richard Dawkinsのチャールストン大学での講演」となりました。この方、動物行動学者で進化生物学者、無神論者で著者であります。 講演はなかなか面白いものでしたが(私の英語力でもそれなりに楽しめました)、

私にはこの講演の後に始まった、RichardWendy Wrightの立ち討論が実におもしろかったです。

Wendy WrightConcerned Woman for Americaという、中絶反対で知られているキリスト右派のCEOを務めている方。進化論を根底に宗教を徹底否定するRichardWendyにインタビューを申込み、彼女のオフィスで撮影されていました。1時間以上に及ぶ二人の公論なのですが、立ち話になったのは彼女の意図的なものとみられます。「どこでインタューをしますか?」とRichardが言うと、「そうですね、ここはどうでしょう。」と、一歩右側に歩いただけ。若くはないRichardを相手になかなか酷な人。

 

彼女の活動やバックグランドは別として、このインタビュー、断然彼女が勝っていた、と思います。Wendy曰く、「進化論は今もって議論の中である」というのに対して「進化論は議論ではなく、事実だ」というRichardの、お互いの心拍数を上げながらの「インタビュー」でした。

文系の私には、彼女の言っていることのほうが理解しやすく、多くの人はどちらかというと理系の専門的知識などないから、彼女ぐらいコミュニケーションスキルがあると説得力があります。といっても進化論は私も信じていますが。 

 

進化論の不動の証拠となるのがDNAだそうですが、そこを理解できるように説明できないのが科学者・・・。科学者の間では一目瞭然、阿吽の呼吸のように確固たる証拠なわけですけど、7歳児でも理解できるように、そこのところ説明してくれないかなあ、と、このインタビュー、ほんとにじりじりと惜しい感じでRichardが引っ張られます。

 

「どの博物館へ行っても、進化論の証拠として見せているのはサルから人間に変わっていく絵でしかない。もっとわかる証拠を見せていただけませんか?」というのがWendy。確かに・・・。「証拠はDNAだ」「どこの学校で化学を学んだ?」などとまるで子供の返答に聞こえるRichard。「どうして科学者は科学者しかわからない言葉でしゃべり、それを標準に考えるのですか?」と、笑顔をひきつらせながら終始冷静であろうとする彼女。

日本の原子力発電事故での問題も、きっと同じようなジレンマがあるんだろうな、とダーリンと話し合い。 よーく内容を科学的に知っている人が、一般人にうまく説明するスキルをもっていないか、科学を知っている人でないと不可解な問題か。

 

どちらにせよこの二人は極端な人だなあと思います。そう人に押し付けなくても、何でも答えがなくてもいいんじゃないの~と相変わらず迷信やスピリチャルなものを生半か信じたい私。スピリチャルだって、どれだけビジネスがかかわっているかと思うと怪しいものですけど。これこそ、信じる人こそ言わないで秘密にしておくほうがどれだけいいか。

ベランダの植物を肥料なくしてゆっくり自然に愛情で育てようとする私と、土と水だけでは栄養が足りないからと水溶性の肥料を買って与えるダーリン。結果は、葉っぱにもかけてしまったようで、元気のない植物たちです。 何が大事かって、愛情ですわよね?あれ、これも極論かな?

 

良い週末を。

 

Shizuko