もう求人という覧を新聞で見たり、Netで見たりする機会は少ないかもしれませんが、思い出せば日本の求人欄には、職種によるとはいうものの、広告や新聞の要綱に書かれていることというと、各資格に加えて、「明るい人」とか「人と接することが好きな人」とか、「どなたでもできます」という感じの内容が並んでいたのを思い出します。最近はどうでしょうかね。
カナダの求人の決まり文句はというと、同じく資格等が書かれているその後に(または前に)、近年相当重要視されているという、いわゆる「soft skill」にかかわったことの羅列です。いつごろからソフトスキルという言葉が使われるようになったんでしょうかね。以前はコミュニケーションスキルという感じで大きく括っていたように思います。
定義は見る資料によって微妙に違う点はありますが、例えばチームワークスキル、リーダーシップスキル、衝突が起きたときの対処力、多様性に対する寛容さ、委任力、聞く力、プレゼンテーション力、決断力、自己管理力、自己制御力、自己マーケティング力、ストレス解消力、問題解決力・・・とこれ全部をひっくるめてソフトスキル。
こ~んな欲張りな注文だけして、実際はどうなのよと疑いますが、とりあえず大体面接で聞かれることがこのソフトスキルを兼ねた質問だそうです。「こういう状況にあった時、あなたはどうする?」的な。
しかし確かに全部とは言いませんが、いくつかにおいては教育の場において、カナダでは自然にこういうことができるように仕向けるための教育のシステムが作られているんだろうなーと、何かとグループワークが好きな様子から想像します。カルチャー的な重要視の違いともいえますけどね。
なんでこんな話を持ち出したかというと、最近無料のオンラインコースで、こういうのを移民たちに教えてくれるというコースを見つけました。その名は”Workplace communication for rural immigrants" このコースはBow Valley Collegeを通してカナダ移民局が設立したもので、カルガリー郊外に住んでいる移民に限定されてます。都心に住んでいる人は対象外。郊外のほうがより多様性に欠けているし、慣れるのが大変だから、ですかね? 12時間のオンラインに加えて、10時間のメンターとのスタディーを含めるというもの。
でもESLではないのでそれが目的では選抜されない。あくまでも仕事場でのソフトスキルを取得するのを目的としているコース。ふ~ん、カナダの移民は「自らの選択によってなされたことだから、基本レベルの英語は当たり前」というちょっと厳しい点を感じてはいますが。
しかしこの内容、20代そこそこで習うならまだ素直に受け入れるかわいさがあるんでしょうが、もうねじれちゃった私は断固批判をしながら進みます。
何がかというと、「ここではあなたの国のカルチャーの常識は通用しませんから、このルールを知って、いち早く慣れましょうね」というところ。移民の国でありながら、さすがイギリス系のエリートの優越ぶり根強さがどうしてもでている、文化的モザイク面を重要視しないところ(唯一Francophone CanadianとAnglophone Canadianの違いには触れるのに)。
イントロダクションのなかで、「カナダの仕事場では」という項目の一部、「カナダは時間はとても貴重で、オンタイムに来るのは重要」、「毎日同じ服を着ることはカナダの職場では受け入れられません。」など、一瞬コースを辞めようかとためらう内容もありました。
とはいえ、なかなか面白いという情報や内容も含まれていて、なによりメンターとの時間はどんな人でも楽しめそうだし、無料ですから失うものはないだろうと、さっそく元高校教師で今はリタイアしたという女性ともご対面し続行。
ソフトな物にはできればもうお金をかけずに、何からでも学んでいこう、という魂胆を胸に隠し、終始ソフトトークで第一回目を終了。 批判するのも暇人には楽しい。またお付き合いくださいませ。
Shizuko