世の中は進歩しても、変わらない思い出ーWhat you see in progress and what you have forever

今朝は朝焼けを楽しみました。お元気でしたか。

こういう景色が見れてよかった、と思えることもよかった。

この部屋も、あと数カ月で引っ越します(少なくとも秋までにには・・・)。新たな場所では夕焼けに感謝できるように願っておりますが、みなさんもあらゆる場所で朝日、夕焼け、桜、富士などに感動をしていますでしょうね。

Bethanyというロングタームケアーの施設で椅子に座ったままのエクササイズを担当させてもらってから、やっと顔なじみと認めてもらって数か月。「もう疲れているのよ~。」と言いながら毎回参加してくれる方や、部屋をノックして呼びに行く前からロビーでうろうろしている方や、まあいろいろ。 どちらにしてもものすごく楽しみにしているというよりは、オブリゲーションで来てくれている皆様。

ある日、エクササイズが終わった後、なんとなくロビーに座って部屋に戻る気配のない95歳のおばあちゃまが昔々のことを話してくれました。


「私の両親はポーランドとルーマニア人。戦争があってどうにもこうにも大変な時に、カナダが(移民に)オープンしてやってきたんだよ。 初めはウィナペッグ(ここよりも寒いプロバンス)でね。 農家をやっていたよ。 そりゃあ、美しくて毎日が楽しい生活だったよ、農家は。」


「電気もトイレもない生活だったけど、あんなに楽しい子供時代はないね。私たち兄弟幼い子供たちは、いつも家の仕事があって忙しかった。  春になると、花に虫がつくから、花たちを揺さぶってね、付いている虫を落とすの。そして落ちた虫を一つずつつまんで、持っている瓶に入れていくのさ。 今はそんなことも知らないねえ。子供たちは不自由せず、やれ学校だと行っているけど。」


「小学校はxxマイルをいつも歩いていたよ。今はバスが迎えに来るじゃない。私たちはよく歩いたものよ。父はいつも私たちの帰りを待っていて、仕事を手伝ってくれるのを期待しているんだけど、私と兄弟はそんなの知らんぷりで寄り道しては楽しく歩いて帰ってくるのさ。」


「家に帰ると、いったいなんでこんなに時間がかかったんだ、と父は私たちに聞くの。一応反省するふりして、またやるのさ。時代とともに変わるから、今は今の生活があっていいんだけれど、しかし昔のこと、子供たちは知らないねえ。私は勉学の教育はちっとも受けてないよ。毎日忙しくしていたからね。」

正月に見た農家たちの生活を描いた映画と、おばあちゃまのお話が重なって、素晴らしい子供時代の絵が浮かびました。どこかいつも明るくて、髪型はムーミンに出てくるリトルミーみたいで、いつも赤いセーターを着て、細身でキャンディー好きなおばあちゃんは、教育はない、と言っていたけど、「今日は、体はいやって言っているけど、心のほうが勝って、エクササイズしなくちゃとやってきたよ。」なんていって、素晴らしい精神を持っている気がしました。いつも話してくれるわけではないので、この日は特別、なんかタイミングと波長が合ったんだなあ、と思うと感慨深く、ありがたいひと時。

それから、家は小さくとも、アパートではなくて、家プラス土地を持っているって、やっぱり幸せな気がする・・・。 もっとも、何もかも一生所有するってことはないかもしれない、と思うと、何はなくてもよく暮らし、良い思い出を持っていることが大事なんでしょうね。やはり、感謝でいっぱいです。  ちょこっとスローライフの一角から。


また。

Shizuko