お元気ですか。
やっとちょっと暑いと感じられる気候でうれしいです。短いこの季節中、なるべく活動的にいたい気持ちですが。
旅好きな方からみれば、私はどちらかというと誰かに会いに行くとか、何かをしに行くという目的ついでに観光をするほうだと思うので、旅好きのカテゴリーに入らないのではないか、と思います。 今回の長いドライブを兼ねたアンダルシア地方旅行で、何よりも心に残ったのは二人の共通する知人ホセとの再会でした。ホセとはNYで出会い、私はまさに19年ぶり。
Isla Christinaという、ポルトガルがそこから見える小さな町は、漁師がいて、魚市場があって、とれたての魚が目の先でもらえるカフェレストランがあって、美味しいシーフードのにおいも、生臭いにおいもする、味のある町でした。そこに、セビーリャやポルトガルでツアーガイドとして働く、マルチリンガルのリサというパートナーと住むホセ。 彼の持っている小さなボートをホテル代わりに使わせていただき、3日ほど滞在しました。
日本でいう「モーニング」のようなトースト、コーヒー、しぼりたてオレンジジュースのセットが2.5ユーロで食べれる、気に入ったカフェを見つけて、ホセも後から加わったある日のこと。友人に書いたポストカードを出したくてホセに聞くと、ポストオフィスはすぐそこ。「ウルティモ、といいな。そうすると誰かが手をあげるから。後は君なら対応できると思うよ」と。 ウルティモね。なんだかわからないけど言われとうりにしよう、とポストオフィスへ。
すると、おおー、見事にみんな思い思いの壁際にいて、列がない。 慣れない言葉だけどウルティモ?と言ってみると、何やらごちゃごちゃ言いながら手を挙げたおばさんがいました。 よくわからないけどとりあえずこの人が最後みたいです。なんとなく習性でその人のすぐ近くに並ぶ感じになってしまう自分。
次から次に入ってくる人も、同じようにウルティモと言って、手を挙げた人を確認したら、てんでんばらばらに待っています。なるほど。やっと私の番が近づいてきて、次だわ、と思ってしゃんとしていると、威勢の良い丸い体系の中年おばさんが入ってきました。 すると私の前の人が私に何かいい、そのおばさんも何か私に向かって言ってきます。 どうやら、彼女のスポットをキープしてもらっていたようで、今帰ってきたということらしい。 それを説明したかったんですね、私のウルティモは。 どうぞどうぞ、お先に。
カフェに戻って、面白い体験をダーリンとホセに説明すると、ホセがポストオフィスのほうを見ながら「今入った男性を見てごらん。 また出てきただろう。どこに行ったと思う。前のカフェだよ。彼も中で待たずに、誰かにスポットをキープしてもらってしたいことをしに行ったんだ。」と。 家への郵便配達も、住人が中にいるのを確かめず「留守」のメモを残す。そんな町のシステムを知り尽くすホセはさすが一手も二手も上手。いろいろなことに対応策を持っていました(笑)。
それにしても魚介が美味しい。 日本人もたまに来るようで、日本人はツナが好きというのは定評の常識になっているよう。それで、日本人には現地の3倍の値段でマグロを売っているのだとか。観光客ではなくて、スペイン国内やヨーロッパで寿司屋を営む人ではないか、と私は思うんですけどね。
一定のお金を払ってボートを留めるスポットをキープし、メンバーでなければ使えないシャワーやトイレも設備されているこの場所で寝泊り。強風でかなり揺れる夜もあったり、うつくしい早朝や日暮の景色をあじわったり、貴重な体験をさせてもらいました。
宝くじが当たったら、ポルトガルに土地を買い家を建てる予定のホセとリサ。 私たちも宝くじが当たったら、ポルトガルに行くことに決めつつあります。皆さんのお越しをお待ちして(笑)。
またすぐに。
Shizuko