こんにちは。
1月も終わりですね。
本日は、作業療法士に関してもうちょっと深くいってみようかな、と思います。
英語だとOccupation Therapist(OT)というので、仕事のセラピー?と昔かららよくわからず、しかもPT(理学療法士)との区別がいまいちわからなかったのですが、今学期はこのOTの授業が一つあるので、ちょっとづつ違いが分かってきました。(というか、もうわかってないとまずいのですが・・・)
Occupationとは、なにもお金をもらっている仕事だけに限ったことではなく、その人がOccupiedされているもの、つまり、主婦なら家事、庭仕事、子育て、その他あらゆる日常の「仕事」を意味し、そういったものが何よりも人を人らしく生きる喜びにつながっている、と定義し、精神や肉体的なハンディーがあったとしても、そのハンディーと一緒に「仕事」をこなせるように訓練するというものです。まずは自身の身の回りのケアーからいろいろな器具を使って訓練したり、アートやクラフトをつかった認知機能のリハビリをしたり、内容はさまざまです。
日本でも、身体や精神に障害のある方々が、裁縫や手で何かを創作するというリハビリがあると思います。ルートは、1800年代に精神病患者に対する人間的なケアーとつながっているのですが、それ以前までは、化学よりも宗教、民族や部族的な伝統の教えなどに頼っていたために、精神を病んだ人を悪魔や化け物と信じ、それ故に動物以下の扱いだったというのは、それほど昔のことではないですね。科学の発達とともに、同じ人間である精神病患者ができるだけ健全者と同じ教育や生活をできるように、という考えのもとに始まっているのと、体の機能を失ったために今までの仕事ができなくなった人が精神を病むという相互関係にフォーカスし、なによりもその人の「仕事」がその人らしくし、精神をいやすのだという概念に基づいています。
実際のリハビリ内容は、PTと重なるところもかなりあすのですが、歴史的には化学と医療の発達とともに、OTよりPTのほうが主流となって、一時Art&Craft的な治療法が軽んじられた戦後時代があったとのことです。
実際の大きな違いは、PTは機能的回復、けがや病気の防止にフォーカスしているので、手当とエクササイズが主な内容になっているのに比べて、OTは同じフォーカスであっても、より一層日常や余暇に関係して、例えば料理を作るというのがリハビリの内容で、作業をしながら実はバランスを保つエクササイズをしていたり、その他の機能をよりよく使う訓練をしている、という感じでしょうか。
只今クラスでは、片手で靴ひもを結ぶ方法とか、片手でシャツやTシャツを着る方法を教えるとか、それぞれのハンディーにあった必要なディバイスを探し、コストも考えて注文できるように実際にネットサーチをしてリストを作るとか、実践的なことを行っています。
来学期は実際に工夫を凝らしたディバイスをミシンで作る、などの実践があるようで、これもなかなか勉強になりそうです。
ではまたお便りさせてくださいね。
よい一週間を!
Shizuko